スパムメールとは?(9) Outbound Port25 Blocking (OP25B)
『Outbound Port25 Blocking でスパム完全撲滅?』
いま、プロバイダを中心にスパム対策の中で一番熱い話題を呼んでいるのが、この「Outbound Port25 Blocking」ではないでしょうか。
コンピュータ同士が通信するためには、ポート番号というものを利用しますがメール(SMTPを送信する場合には25番ポートが利用されています。
皆さんが使っているメールソフトから、プロバイダのSMTPサーバに対してはポート25番が使われ、またプロバイダのSMTPサーバから相手先のSMTPサーバへの通信も同様に25番が利用されます。
自分のプロバイダのSMTPサーバを「SMTP-A」、相手(受信側)のプロバイダのSMTPサーバを「SMTP-B」 としてみると、普通メールは以下のような流れになります。
メール送信者 –(25)–> SMTP-A –(25)–> SMTP-B —-> メール受信者
でも、スパム送信者は、自分のプロバイダのSMTP-Aを使わなかったり、自分自身でスパムウェアのようなメール送信用ツールを使って、上記で言うSMTP-Bや、その他のプロバイダ上のSMTPサーバに直接送りつけようとします。
「Outbound Port25 Blocking」はこういうスパム送信者をブロックするための方法です。
具体的には、個人もしくはプロバイダが用意する以外のSMTPサーバが、勝手に他のプロバイダへメールを送れないように、25番ポートを閉じてしまう方法です。
こうすることで、各プロバイダに所属する人たちは、自分のプロバイダのSMTPサーバからしかメールが遅れなくなってしまうため、身元を詐称することができなくなります。
その結果、身元を隠したいスパム送信者は、メールを送る手段がなくなり、スパムもなくなるでしょうという考えですね。
この、「Outbound Port25 Blocking」はアメリカなどでいくつかのプロバイダが実施してかなりの効果をあげているらしいです。
でも色々問題があって、スパム送信者じゃなくても個人でSMTPサーバを立てていたりする人もいるので、そういう人たちからの反発などで、一度これを実施したプロバイダが、実施を中止したケースもあります。
ただ日本中のプロバイダが全体でそういう対応を取れば、文句もいずれ収まるだろうという見解もあり、プロバイダ一斉にこれを実施する日も近いと言われています。