ウイルス戦争が残したもの
昨年2004年のウイルス被害報告は、2003年度よりかなりの増加がありました。
これは、2004年の2月にはじまった「ウイルス戦争」とも言われる出来事があったことが大きいと言われています。
このウイルス戦争には、Netsky、Bagle、Mydoomというウイルスで引き起こされました。
具体的には、BagleとMydoomというメール経由で感染するウイルスが、はじめに感染を広げていたんですね。
この2つのウイルスは、感染するとバックドアを仕掛けるタイプの「トロイの木馬」型のウイルスでした。
これに対して、ドイツの青年Sven Jaschanを中心とする「Skynet」が、BagleとMydoomの動作を止めるウイルス Netsky を作成し、これを広めたところから、ウイルス戦争がはじまったというわけです。
Bagle、Mydoomの作者は、自分たちのウイルスを邪魔するNetSkyに対して、新たな亜種を作り、またそれに対してNetsky側が亜種を作って対抗することで、どんどん亜種が増えていったんですね。
亜種というのは、Netsky.A というオリジナルのウイルスがあったとしたら、Netsky.B、Netsky.Cといったように、ちょっと変更が加えられた同じ種類のウイルスです。
これらのウイルスは実際にウイルスのコード内に、
「おい、Netsky、俺たちのビジネスを邪魔するな、戦争したいのか?」
(Hey, NetSky…don’t ruin our bussiness, wanna start a war?)
のような言葉が埋め込まれていたり、Netskyの方には、
「Skynet AntiVirus – Bagleよ、吠えるな負け犬!」
というような感じで、抗争が続いていきました。
この戦争は、Netskyの作者Sven Jaschanが逮捕されることで終結しましたが、ウイルス自体は、受け取った人達がどんどん広めてしまうため、戦争が終わった今も、世界中に、これらのウイルスはまだまだ存在しています。
Netskyは、BagleとMydoomを止めるための「正義のウイルス」だったという声もありますが、いまだにメールボックスに入ってきて、迷惑極まりないウイルスに正義も何もあるわけないですよね。
Netskyは実は今でもウイルスの被害トップ10にランクインしてます。
今日もNetskyが僕のメールBOXに・・・。