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Posted by on 4月 7, 2005 in マルウェア | 0 comments

ウイルス戦争が残したもの

昨年2004年のウイルス被害報告は、2003年度よりかなりの増加がありました。

これは、2004年の2月にはじまった「ウイルス戦争」とも言われる出来事があったことが大きいと言われています。

このウイルス戦争には、Netsky、Bagle、Mydoomというウイルスで引き起こされました。

具体的には、BagleとMydoomというメール経由で感染するウイルスが、はじめに感染を広げていたんですね。

この2つのウイルスは、感染するとバックドアを仕掛けるタイプの「トロイの木馬」型のウイルスでした。

これに対して、ドイツの青年Sven Jaschanを中心とする「Skynet」が、BagleとMydoomの動作を止めるウイルス Netsky を作成し、これを広めたところから、ウイルス戦争がはじまったというわけです。

Bagle、Mydoomの作者は、自分たちのウイルスを邪魔するNetSkyに対して、新たな亜種を作り、またそれに対してNetsky側が亜種を作って対抗することで、どんどん亜種が増えていったんですね。

亜種というのは、Netsky.A というオリジナルのウイルスがあったとしたら、Netsky.B、Netsky.Cといったように、ちょっと変更が加えられた同じ種類のウイルスです。

これらのウイルスは実際にウイルスのコード内に、

「おい、Netsky、俺たちのビジネスを邪魔するな、戦争したいのか?」
(Hey, NetSky…don’t ruin our bussiness, wanna start a war?)

のような言葉が埋め込まれていたり、Netskyの方には、

「Skynet AntiVirus – Bagleよ、吠えるな負け犬!」

というような感じで、抗争が続いていきました。

この戦争は、Netskyの作者Sven Jaschanが逮捕されることで終結しましたが、ウイルス自体は、受け取った人達がどんどん広めてしまうため、戦争が終わった今も、世界中に、これらのウイルスはまだまだ存在しています。

Netskyは、BagleとMydoomを止めるための「正義のウイルス」だったという声もありますが、いまだにメールボックスに入ってきて、迷惑極まりないウイルスに正義も何もあるわけないですよね。

Netskyは実は今でもウイルスの被害トップ10にランクインしてます。

今日もNetskyが僕のメールBOXに・・・。