IDSとは?(2)
IDSというのはネットワークやコンピュータを監視して不正アクセスを発見し、警告をあげるシステムだという話をしましたね。
IDSは、そのアクセスを監視する対象によって2種類あります。
■ネットワーク型IDS
これは、NIDSとも呼ばれます。コンピュータ同士が繋がっているネットワーク上に配置して、ネットワークに流れるパケットを監視します。
ある意味盗聴ツールのように、ネットワーク型IDSは自分がネットワーク上に存在しないかのような振る舞いをします。(ステルスモード、プロミスキャスモード)
その状態で、各コンピュータ同士の通信を全て受け取り、中身を解析して疑わしい通信であった場合に警告をします。
■ホスト型IDS
HIDSと呼ばれます。「ホスト」というのはコンピュータのことを指すと考えてもらっていいと思います。
監視対象となる「ホスト」に、IDSをインストールして、自分自身に送られてくるデータを監視します。
単純に通信上の不正なアクセスだけでなく、コンピュータ上のファイルが書き換えられたり、不正な侵入者がいたような場合も見つけることが可能です。
ネットワーク型IDSの場合は、簡単に導入できるというメリットがある反面、ネットワーク上の全てのパケットを受け取るため、許容量を超えてしまうと、データを取りこぼしてしまう可能性があります。
また、ホスト型IDSは、一台一台を詳細に監視することが出来ますが、監視する対象(ホスト)毎にインストールする必要があるので、手間がかかります。
最後に、なぜIDSが必要なのでしょうか?
当然第一にはハッカー・クラッカーからの攻撃を早期に発見してシステムを守るためです。
しかし、ホスト型IDSなどでは、ファイルの書き換えや、不正ログインなども検知できるため、昨今の個人情報の保護にも役立つといえます。
ちなみに、フォレンジック系のツールとの違いとしては、フォレンジックツールが証拠を残すことを主な目的としているのに対し、IDSはリアルタイムに、不正なアクセスを発見するという点ですね。