スパムメールとは? (1)
【スパムと法規制】
スパムメール。いまさら用語の説明をするまでもないですが、「迷惑メール」の中で、主に広告・宣伝を目的としたメールをそう呼びます。
迷惑メールでは、ウイルスメールだけは区別して言われますが、最近ではフィッシング詐欺メールやDMなど、受信者が不要と思うメールは全てスパムとして扱うことが多いですね。
フリーメールとして知られるHotmailでは、毎日30億通のメールをさばいているそうですが、そのうちの80%にもおよぶ24億通がスパムメールとのこと。
また、ある調査によるとユーザが1日にスパムの処理に所要する平均時間は、7.78分らしく、これを一年間続けると、丸2日がスパム処理のために無駄になっているというから驚きです。
こんな風にスパムは社会問題となっていて、数年前から法律で規制をかけようという動きがあります。
日本で言うと、結構前の話ですが、2002年に「特定商取引に関する法律」の改正が行われました。
この改正では、本人が希望していない広告メールには、メールアドレスと解除方法を明記すること、それから件名に「未承諾広告※」と入れることが義務付けられています。
その結果ユーザ側では、メールソフトなどで「未承諾広告※」という文字が入ったメールを自動的に振り分けを行う対策が取られたのですが、スパム業者側は「未承諾広告※」の「未」をわざと「末」にしたり、悪質な業者だと全くつけないでスパムを送るケースもあります。
皆さんが最近受け取るスパムメールはどうですか?
ちなみにアメリカでもスパム規制法(CAN-SPAM)が2004年1月に施行されていますが、これも全くといっていいほど効果がないようです。
なぜ効果がないんでしょうか?
その理由の一つとして、これらの法律が「オプトアウト」という方式を採用しているからだと言われています。
これは、送られてきたメールに対して、受信者が受け取り拒否の手続きを取らなければ、メールを送り続けて良いとするものです。
これは明らかにスパム業者側に有利ですよね。
また、もし受信者が受け取り拒否の手続きをしても、その業者がスパム送信をやめればいいだけで、そのメールアドレスは他の業者に売られたりする可能性があります。
実際、オプトアウトの手続きをした場合、その後他の業者から大量にスパムメールが来たという話も聞きます。
こういった個人情報の受け渡しは、2005年4月に施行される個人情報保護法で規制されますが、どこまで効果があるかは謎なので、自分から配信停止の連絡をするのはなるべくやめましょう。
(特に身元不明のアダルト系広告)
「オプトアウト」に対して、「オプトイン」という方式は、受信者が積極的に広告を希望しない限り、メールを送ってはならないという方式で、効果がある方法だと言われていて、EU加盟国で積極的に導入が進んでいます。
でも、どちらの方式も、送信元を詐称して身元不明で送り付けるようなスパマーは法律を無視する場合がほとんどなので、結局は法律だけでスパムを防ぐのは難しいと言われています。
次回以降、スパムの手口、それに対する対策などに触れてみたいと思います。