ウイルス対策ベンダーは自作自演?
アンチウイルスソフトを開発している会社(ウイルス対策ベンダー、アンチウイルスベンダーと言います)は、自社でウイルスを作成してばらまいているという噂をよく聞きますが、これって本当でしょうか?
まずウイルス対策ベンダーがウイルスを作るメリットを考えて見ましょう。
一番最初に思いつくのは、ウイルスが蔓延すれば、アンチウイルスソフトが売れるということでしょう。
でも、最近流行しているボットウイルスを見ていてわかるように、今やウイルス対策ソフトのパターンファイルも追いつかないくらいたくさんの亜種・変種が出てきています。
昔より今の方がウイルスの種類は増えているにせよ、昔から誰かが勝手に作ってくれるものをわざわざベンダー側で作る必要はないでしょう。
その他のメリットとしては、他社で発見できないウイルスを自社では発見できるという点ですね。
これも、他社がそのウイルスを入手すれば、100%それに対応するウイルスパターンを作ることができてしまいます。
最初に発見した会社が、「うちが一番最初に発見しました!」と主張できるとしても、これだけ日々大量のウイルスが発見されている状況では、マーケティング的なメリットもほとんどないでしょうね。
こういったことを考えると、ウイルス対策ベンダーがウイルスを作るメリットはほとんどないと思います。
逆に、最近では「ウイルス作成罪」なども討議されていますし、プロバイダのログ等も政府に監視されるような状況では、ちゃんとした会社がウイルスを作るのはリスクがありすぎます。
そのようなわけで、「ウイルス対策ベンダーがウイルスを作成している」というのは、信憑性のない都市伝説と言えるかもしれないですね。